人を知る

法律事務所のコンテンツディレクターとして働く面白さ

WEBクリエイティブ部 コンテンツディレクター
藤村真貴奈

大学卒業後、大手IT企業にシステム技術者として入社。その後、フリーランスのライター、WEB制作会社でのディレクター経験を経て、ベリーベストにコンテンツディレクターとして入所。
ベリーベストでは、弁護士サービスを必要としている方の集客を目的とした各種コンテンツの企画と制作に従事している。

2023年9月、「ミエルカユーザー会」にて、「新規ビジネスを立ちあげるときに考えるべきコンテンツ戦略~ユーザー心理を読み解くためのミエルカ活用術~」というテーマでスピーカーとして登壇。

2023年12月、「Web担当者Forumミーティング 2023 秋」にて、株式会社Faber Company 執行役員の月岡様と対談しました。

コンテンツディレクターの役割は、集客のためのコンテンツ作成

法律事務所でコンテンツディレクターをしていると言うと、必ずと言っていいほど「法律事務所でどんなコンテンツをつくるの?」と聞かれます。たしかに、一般的にイメージするコンテンツと法律事務所は、結びつきにくいかもしれません。

私たちコンテンツディレクターが主に作成するのは、トラブルやお悩みを抱えた方に対して、法律をベースにどのような対処法があるのか、どのような解決案があるのかといったことをお伝えするための、さまざまなコンテンツです。
たとえば、離婚問題を抱えている方に向けて、養育費や慰謝料などに関する情報を伝えるコラムを、交通事故に遭ってしまった方に向けて、情報がわかりやすく伝わるようQ&A集を作成する、といった具合です。

特に、離婚や刑事事件に関する情報は、報道などで耳にしたことはあっても、具体的なことはわからないという方が多く、ときに誤った情報を正しいと認識してしまっているケースもあります。そのため、「正しい情報をわかりやすく伝えるためには、どういったコンテンツが良いか?」ということを、常に考えるようにしています。

私たちが作成するコンテンツを必要とされている方は、大なり小なり問題を抱えています。問題解決の糸口を提供しつつ、結果として当事務所の利用を検討いただくための入口となるコンテンツを生み出すことが、コンテンツディレクターの大きな役割です。

コンテンツディレクターに専念できる環境

私が所属しているWEBクリエイティブ部には、コンテンツディレクターのみで編成されたチームがあります。これはコンテンツ制作の現場では、とても珍しいことだと思います。

コンテンツ制作を主軸としていない事業会社が、コンテンツ専属のチームを社内で構成するのは簡単ではないと感じています。コンテンツディレクターの多くは、リソース不足や予算の問題などからコンテンツ作成以外の業務を兼任している、コンテンツ制作は外部に委託し、管理のみの行っている、といったケースが多いのではないでしょうか。

私自身、過去には複数の業務を行いながら、コンテンツ作成を行っていた経験がありますが、そのときは、一番力をいれたいコンテンツの作成に十分な時間がとれずジレンマを感じていました。

ベリーベストでは、コンテンツマーケティングを特に重視しており、経営層も深く理解を示してくれています。そのため、コンテンツ作成に集中できる環境を整えてもらえるのはもちろんのこと、最新ツールの導入なども積極的に行ってくれます。
実際、マーケティング関係の展示会に行ったときに紹介され、使ってみたいと思ったツールを、後日導入してもらったことがあります。
コンテンツ制作に集中できる、とてもぜいたくな環境だと思います。

企画から改善まで、全工程を任せてもらえる面白さ

インハウスのコンテンツディレクターの良さはたくさんありますが、事務所全体の動きや方向性が、リアルタイムでわかるのは大きな魅力だと感じています。なぜコンテンツが必要なのか、どういった結果が欲しいのか、ということをしっかりと理解したうえで、企画・作成をすることができるので、迷いなく制作を進めることができています。
自分たちが作成したコンテンツが、事業に影響を与えているということを肌身で感じられるのも、非常に大きな醍醐味かもしれません。

また、コンテンツ作成は細かく工程が分けられ、分業化しているケースも珍しくないと思いますが、私たちは作成したら終わりではありません。リリースした後は分析を行い、どのような結果につながったのかを追うところまで、コンテンツディレクターが担います。

結果が良ければもちろんうれしいですし、思うような結果がでなければ改善を行い、失敗を次の作成に生かすこともできます。企画・調査、作成、改善の全工程に携わることで経験も増え、スキルアップにもつながっていると感じています。

評価制度とキャリア形成も充実

ベリーベストでは、半年に一度それぞれが目標を設定します。まずは、自身の視点で目標を立てた後、上長との面談を通して最終的な目標を決定します。半年後に、達成度合いを確認するとともに、改めて上長と面談し振り返りを行うという流れです。コンテンツディレクターの場合、新規リード獲得数やCV数、コンテンツ企画数、記事公開数といったような項目が代表的な目標になります。

達成結果は賞与や昇給に反映されるので、自身のキャリアを考えつつ、しっかりと半年後のゴールを見据える必要があります。ただ、これらをひとりで考えるのではなく、上長との面談を通して進めていくことができるので、評価ということだけにとどまらず、客観的にみた自身のストロングポイントやウイークポイントを知ることができる貴重な機会だと感じています。

また、コンテンツディレクターとしてのキャリアを形成するために、外部の講習会や勉強会、セミナーなどは、メンバー全員が積極的に参加しています。特に、最近ではオンラインで参加できるケースが増えたので、以前よりも参加する機会が増えたのはうれしいですね。
参加したセミナーなどの情報は、メンバー間でシェアしているので、さまざまな情報をキャッチアップすることができています。

あとは、講習会というわけではないのですが、ユニークな試みのひとつとして、裁判傍聴に行くことができます。ニュースなどで、裁判の様子が報道されることはありますが、実際にみるのとは、やはり違います。
私も、入所してすぐに裁判傍聴に行きましたが、重い決断が行われる瞬間を目にしたことで、読者をよりリアルに想像できるようになったのはもちろんのこと、法律の重みを強く感じました。この経験は、コンテンツを作成するにあたって、非常に役立っています。

紙・WEB媒体問わず、これまでの経験を生かせる業務

現在の、コンテンツディレクターチームには、多種多様な経歴をもったメンバーがそろっています。
紙媒体で活躍してきたメンバーやフリーのライターとして活躍していたメンバーもおり、必ずしもWEB関連での経験しか生かせないわけではありません。むしろ、さまざまな経験をしたメンバーがいることで、枠にとらわれない新しい発想が生まれやすい環境だと感じています。

また、私は入所する前に法律を学んだことはなかったので、最初は非常に不安でした。ただ、今言えるのは、コンテンツディレクターとして入所するときに法律の知識はゼロでも大丈夫、ということです。むしろ、難しいと思われている法律知識を、読み手の視点に立って、どのように伝えるかを考える力のほうが必要だと感じます。

法律事務所に相談するときは、人生において非常に大きな分岐点に立っているケースも珍しくありません。悩みを抱えている読者の心を想像し、役立つ情報を届けたい、という熱意のある方と一緒に働くことができれば、とてもうれしいです。